✔️ チェリーピッカーとは何かを理解できます。
✔️ チェリーピッカー防止策をご紹介します。
✔️ 購入可能性スコアに基づいたCRMマーケティングで、実際の購入CVRを高めた事例を確認できます。
最近のユーザーは、自分の行動パターンによっていつクーポンが発行されるかに容易に気づきます。購入する商品をカートに入れてしばらくクーポンを待ってから購入するケースが増えています。
この記事を読んでいる皆さんも同じことを考えたことがありませんか?オンラインショッピングに慣れている現代のユーザーたちは、良い商品をより安く購入できる方法にすぐ気が付きます。例えば、カートページと注文ページからの離脱率が高いからと言って、そのページから離脱した直後にクーポンを発行すると、「そうか!このように行動すると、クーポンがもらえるのか!」とすぐに気付きます。最初に購入した注文をキャンセルし、クーポンを獲得してよりお得な価格で購入したり、購入するたびに自分が把握しているパターン通りにアクションしてクーポンを獲得したりもします。このようなユーザーをマーケティング用語で「チェリーピッカー(Cherry Picker)」と言います。
チェリーピッカーは元々、酸っぱいぶどうは食べずに、甘いチェリーだけ食べる人のことで、利益だけを選び取りすることをケーキの上に乗った甘いチェリーだけ取って食べる人に例えた言葉です。マーケティングでは、商品を購入せず、企業からの特典だけ取っていく顧客を意味する言葉として使われています。最近、多くのサイトがユーザー行動データに基づいて、クーポンプロモーション、割引特典など、パーソナライズされたCRMマーケティングを試みていますが、それがむしろチェリーピッカーを発生させる原因にもなっています。
Datarizeはチェリーピッカーを防止するために、訪問者の行動パターンが既存購入者とどれほど類似しているかを機械学習で推定し、購入性向スコアをリアルタイムで計算します。さらに購入性向スコアのリアルタイム変化もチェックします。いつクーポンが発行されるのかをユーザーに気付かせないようにすると同時に、購入CVRと売上を高めるために購入性向スコアが急激に下落するときをおすすめします。例えば、注文ページからメインページに移動しても、すぐにクーポンを表示せずにその後の行動に注目します。商品詳細ページに留まっている場合やカテゴリーページを閲覧しているユーザーにのみクーポンを露出する方式です。
実際に顧客企業Aは8月20日から購入可能性が高いユーザーに「シークレットクーポンを提供する」というオンサイトバナーキャンペーンとフレンドトークキャンペーンを実行しました。その後、一週間が過ぎた8月末から購入CVRが徐々に上昇し始めました。結果的に8月基準1.52%(中央値1.46%)だった一日の平均購入CVRが2月には2.02%(中央値1.97%)まで上がりました。
1日単位のファネル段階別コンバージョン率からも変化が見られました。商品閲覧に対するカート追加のコンバージョン率、カート追加に対する注文ページのコンバージョン率が著しく上昇しました。複雑に設定したルールベースCRMキャンペーンより、機械学習を用いたCRMキャンペーンの方が長期的にチェリーピッカーを防止し、購入CVRと平均購入金額、売上まで高めるということが確認できました。
CRMマーケティングはつまるところ、ユーザーの満足度を高め、何度も戻ってこさせる戦略です。行動パターンの把握、ユーザーの基本情報など、多様なデータを用いることも全てこのための手段に過ぎません。大事なのは購入を迷っているときに、購入を決めさせられる決定的なメッセージやクーポンを送ることです。単にメッセージやクーポンを送るのではなく、ユーザーのニーズに合わせたメッセージとプロモーションを適切なタイミングで表示し、購入を促進する戦略が必要なのです。今後はそれを忘れない賢いCRMマーケティングを行いましょう!