こんにちは Datarizeのマーケター、ペク・アリです。
今日から同じマーケターとして、CRMマーケティングをどう捉えるべきか、どのような準備が必要かを先に悩んで見つけた答えをシリーズでお伝えいたします。より専門的な内容をお伝えするために、今回のシリーズはDatarizeのデータサイエンティスト兼CSOのパク・ミンソンさんと一緒に準備しました。何より、CRMに初めて接する方もすぐに理解できるように、簡単かつ正確な内容で構成しているので、ご期待ください!それでは、シリーズ第1弾です。
最近、個人情報保護のためのサードパーティクッキー制限が拡大し、マーケティングにも多くの変化がもたらされました。これにより、新規ユーザーを集める重要な手段であるパフォーマンスマーケティングが難しくなり、様々な代案が打ち出されています。その中で多くの注目を受けているのが、CRMマーケティングです。今日はどうしてCRMマーケティングが注目されるようになったかや、現在の問題とCRMマーケティングの役割についてご紹介します。
CRMマーケティングとともに、アプリマーケティングの暗黒期という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。 2021年のApple Safariのサードパーティクッキー収集制限とATTポリシーを皮切りに、Meta、Snapchatなどを用いたアプリマーケティングの利用率が急落したからです。情報収集の同意率が10%程度に留まり、細密なターゲティングができなくなりました。MetaとSnapchatは広告効率の低下により広告売上も減少しました。広告技術企業のLotameはMeta、Snapchat、Twitter、YouTubeなどの広告事業売上が6か月間で98億5千万ドルも減少したと発表しました。
広告主たちは検索広告市場に目を向けました。 これにより、GoogleとAppleの広告売上は上昇しました。検索広告は「検索ワード」を基準に正確なターゲティングができるため、アプリマーケティングの限界を解決できるからです。他にもAmazonのようなコマースメディア広告市場も注目されています。商品販売を希望する供給者と購入を希望する需要はなくならないため、広告費用は新しい使い方を探し求めるだけで消えることはありません。新しい使い方を探す動きはこれからさらに増えると予想されています。
2024年にはGoogleによるchromeのサードパーティクッキー(Third-party Cookie)廃止により、プライバシーポリシーがさらに強化されます。大きい影響力を有する媒体のポリシーが変わり、アプリマーケティング以外でもほとんどの広告における細密なターゲティングが不可能になるわけです。
2022 Digital Marketing Summitでは、マーケティング市場の問題に対応するための4つの戦略が提案されました。 その中にCRMマーケティングが登場します。
CRMの強化戦略:ファーストパーティクッキー(First-party Cookie)を自ら収集するか、ソリューションを通じて収集してマーケティングに活用
Zero-party dataの活用戦略:Zero-partyデータを収集し、最初からユーザーの興味・関心を細分化してターゲティング
ブランドマーケティングの強化戦略:認知と到達を目的とするブランドマーケティングに集中
コンテンツマーケティングの強化戦略:高度のターゲティングより、クリック率と購入CVRを高めるアセットの研究・発展
CRMマーケティングは一度でもサイトを訪問したユーザー、購入の過程で離脱したユーザー、既に購入履歴のあるユーザーを対象にするマーケティングです。 このユーザーたちは忠誠心が高まると迅速に購入まで到達します。そのため、CRMマーケティングは売上上昇への近道とも言えます。以前はパフォーマンスマーケティングにより、購入のファーストステップである新規ユーザーを確保して売上を伸ばしましたが、これからは既存ユーザーを忠誠ユーザーに導き、再購入を促すことで売上を確保する戦略が代案として登場しました。
まず、CRMマーケティングを過去のパフォーマンスマーケティングと比較してみましょう。
パフォーマンスマーケティング:まだ商品を購入したことのないユーザー10万人に到達、クリック率3%、購入CVR10%
CRMマーケティング:商品を購入したことがあるか、会員登録したユーザー500人に到達、クリック率30%、購入CVR30%
違いに気づきましたか?それはターゲットの違いです。大勢の不特定多数を購入に導くか、接点のある本当のユーザー複数人を購入に導くかです。個人情報保護の強化により、不特定多数をターゲティングすることが困難になったため、新しいターゲットを探し求め、たどり着いた先がCRMマーケティングなのです。さらに、CRMマーケティングはターゲットの母数は少ないものの、よりニーズのあるユーザーを対象に実施するため、コンバージョン率が高いです。正確にターゲットを指定でき、結果も良好なCRMマーケティングを通じて、パフォーマンスマーケティングで落ちた売上を高めようとしているわけです。
次回はCRMマーケティングの実行方法についてご説明します。重要性に共感できたなら、次は実行のためにどのような準備が必要か悩まれますよね。次回では本格的に何を準備すればいいか、ポイントだけまとめてお伝えします。