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韓国ブランドの日本進出を佐川と共に成功させる[後編]

 

KtoJ物流システムと越境EC戦略ガイド

 

はじめに

本記事では、前編で解説した「KtoJ(Korea to Japan)物流の全体像」に続き、

後編では通関規定・現地在庫運用・コスト最適化・FAQ・成功チェックリストを解説します。

日本市場への進出を検討する韓国ブランドが、

どのように通関をクリアし、物流コストを最適化していくかを、実例を交えて整理しました。

▶️前編をまだ読んでない方はこちらから


目次

  
  1. 品目別通関規定まとめ
  2. 物流コスト最適化:現地在庫運用戦略
  3. よくある質問
  4. 成功のためのチェックリスト
  5. まとめ:データと戦略で成功する越境EC

 

1. 品目別通関規定まとめ

面税範囲と基本ルール

日本における個人輸入の免税限度額:16,666円

韓国の免税基準(150ドル)とほぼ同水準であり、為替レートにより多少前後します。

輸入禁止品目:

  • 麻薬・覚醒剤などの薬物類
  • 銃器・爆発物などの危険物
  • 偽造品(コピー商品)
  • その他、一般的に禁止とされる品目

💡 ポイント

☑️個人輸入では免税範囲内であればスムーズに通関が進みます。

☑️ボックス超過時は関税・消費税の課税対象となります。


化粧品(K-Beauty)輸出時の注意点

◾ 数量制限

1人あたり1日の注文上限:24個

  • 24個を超える場合は課税対象(輸入自体は可能)
  • 40〜50個以上を一括発送した場合、免税範囲を超えるため関税が課せられます。

◾ 機能性化粧品の特別規定

韓国では一般化粧品でも、日本では医薬部外品扱いになる場合があります。

医薬部外品に分類される可能性のある製品:

  • 美白(Whitening)機能をうたう製品
  • アンチエイジング(Anti-aging)を目的とした製品

これらはBtoC個人輸入では制限対象になることがあるため、事前確認が必須です。

◾ 規制の緩和要因

BtoCの個人輸入では、一般的な薬機法の規制が比較的緩やかです。

問題が発生した場合の責任は「輸入した個人」にあるため、企業側リスクは限定的です。


アパレル(Apparel)輸出時の注意点

◾ 関税率の違い

衣類は製造方式により関税率が異なります。

  • ニット(Knit)製品:特定の関税率が適用
  • 布帛(Woven)製品:ニットとは異なる税率

◾ 実務上の課題

日本の税関では、歳入確保のため布帛製品をニット扱いにして高関税を課す傾向があります。

明確な基準が曖昧なため、担当官の裁量によって判断が変わるケースも。

◾ 対応方法

  • 商品詳細を正確に記載
  • 必要に応じて製品写真・素材証明を添付
  • ニット/布帛の分類基準を事前に把握しておく

 

2. 物流コスト最適化:現地在庫運用戦略

段階別物流戦略

日本進出時は、事業規模に合わせて段階的に物流体制を最適化することが重要です。

第1段階:BtoC直送(初期フェーズ)

特徴:

  • 韓国国内倉庫から直接梱包・発送
  • 初期投資を抑え、市場テストに最適
  • ブランド認知を高める導入段階

推奨時期: 月間出荷数 7万件未満

第2段階:日本現地在庫運用(成長フェーズ)

移行タイミング: 月間出荷数 7万件以上

Ohoraの成功事例

運用方法 韓国からBtoC直送 日本現地在庫運用
月間出荷量 約10万件(繁忙期) 10万件以上維持
運用期間 3年 3年目以降
物流費 - 25-30% 削減

現地在庫運用の3つのメリット

①人件費の最適化

区分 韓国 日本
日雇い単価 約150,000ウォン 約12,000円(900ウォン換算で約108,000ウォン)

為替が1ウォン=0.9円前後の時期は、特に人件費削減効果が大きい。


②配送コスト削減

  • 海上輸送(釜山→日本)を活用し、航空便より大幅にコストを抑制。
  • 日本国内配送では佐川・ヤマトを活用し、国際便コストを最小化

③ 配送スピード改善

現地倉庫からの発送により、翌日配送も可能。

顧客満足度アップに直結。


法人設立のタイミング

推奨ステップ:

  1. 初期(0〜2年):BtoCで市場テスト・ブランド認知構築
  2. 中期(2〜3年):月間7万件以上で現地在庫を検討
  3. 成長期(3年以降):法人設立・現地物流センター運営

💡 ポイント

☑️ボックスいきなり法人を設立するよりも、データを基に段階的に進出する方がリスクを抑えられる。


 

3.よくある質問

Q1. KtoJ物流ではどのくらいで届きますか?

A. 通関がスムーズな場合、東京・関東圏で約2.5日、大阪・九州で3日、その他地域は最長4日以内に配送されます。

国内配送とほぼ同等のスピードです。


Q2. 日本の免税範囲はいくらですか?

A. 個人輸入における免税限度額は16,666円です。

この金額を超える場合は関税および消費税が課されます。


Q3. 化粧品は何個まで送ることができますか?

A. 個人消費目的であれば、1人あたり1日24個までが免税対象です。

25個以上の場合は課税対象となります。


Q4. 美白化粧品やアンチエイジング製品も送れますか?

A. 美白(Whitening)やアンチエイジング(Anti-aging)を目的とした化粧品は、

日本では医薬部外品として扱われる場合があります。

そのため、個人輸入(BtoC)では制限対象となることもあり、

事前に成分や分類を確認しておくことをおすすめします。


Q5. 日本法人はいつ設立すべきですか?

A. 月間出荷数が7万件以上で安定してきた段階が目安です。

まずはBtoC直送で市場を検証し、その後に法人設立を検討するのが望ましいです。


Q6. 送り状や住所はどのように書けばいいですか?

A. 受取人の氏名・住所は必ず**日本語(漢字を含む)**で正確に記載してください。

韓国語や英語のみの記載では、配送遅延や返送の原因となる場合があります。


Q7. アパレルを輸出する場合の関税はどうなりますか?

A. アパレルは製法によって関税率が異なります。

  • ニット(Knit)製品
  • 布帛(Woven)製品では関税率が違います。

ただし、日本の税関では布帛製品をニット扱いとして高い関税を課すケースもあり、注意が必要です。


Q8. リセラー(転売業者)に販売する場合もBtoC扱いですか?

A. リセラーが個人名義で購入する場合はBtoCとして発送できます。

ただし、大量注文や継続取引の場合は、BtoBの輸出通関を検討したほうが良いでしょう。


Q9. 佐川以外の配送会社を使っても問題ありませんか?

A. 利用は可能ですが、韓国→日本の越境EC配送では

佐川急便がラストマイルの約90%を担当しており、

インフラ・安定性の面で佐川を利用するのが最も安全です。


Q10. 沖縄への配送は遅いですか?

A. 沖縄は本土からの航空輸送が必要なため、

他地域よりも配送に1〜2日ほど余分に時間がかかります。


 

4.日本進出を成功させるためのチェックリスト

初期フェーズ(参入期)

  • [ ] 日本の通関ルールを確認(例:化粧品24個制限・機能性化粧品の規制)
  • [ ] 日本語住所・氏名を正確に登録できるシステムを整備
  • [ ] 免税範囲(16,666円)を考慮した価格設定
  • [ ] 信頼できる物流パートナー(例:佐川急便)を選定
  • [ ] BtoC直送で市場テストを開始

成長フェーズ

  • [ ] 月間出荷数7万件以上を安定化
  • [ ] 現地在庫運用によるROIを分析(物流コスト25〜30%削減が目安)
  • [ ] 為替変動による人件費最適化を検討
  • [ ] 日本現地の物流パートナー・倉庫をリサーチ

拡張フェーズ

  • [ ] 日本法人設立の妥当性を検討
  • [ ] 現地在庫運用の体制を構築
  • [ ] 釜山港からの海上コンテナ輸送ルートを確保
  • [ ] 日本人スタッフの採用・オペレーション体制を整備

 

5. Datarizeとともに、スマートな日本進出を

日本市場は、複雑な通関ルールや物流体制を伴いますが、

データに基づく戦略的な運営によって確実に成果を上げることができます。

Datarizeは、CRM領域にとどまらず、

Kブランドの越境EC・物流最適化・リピーター育成を包括的に支援します。

今こそ、データドリブンなKtoJ戦略で日本市場を攻略しましょう。


📘 本記事は、佐川グループへのインタビューおよび実際の事例に基づいて作成されています。最新の規制は、日本税関および関連機関の公式情報をご確認ください。